低リスクながら、しっかりリターンも見込める「米国債」に興味を持っているあなた。
本記事では、利回り2~3%を確保できる「米国債」の買い方について、証券会社の比較を交えてご説明します。
早速ですが米国債の購入手順は、単純には以下の3つです。
- 米国債を扱う証券会社を選ぶ
- 証券会社の口座を開設&入金する
- 自分で選んだ米国債を買う
要するに、株や投資信託と同じやり方ですね。
ただし、各証券会社で扱っている商品数や手数料等の特色があるので「どこで購入しても同じ」というわけではありません。
また、米国債にも種類があり「利付債」と「割引債(ゼロクーポン債・ストリップス債)」で異なります。
- 米国債を扱う証券会社各社の特徴
- 米国債を始めるオススメの証券会社
- 米国債の種類(利付債・割引債)とその特徴
米国債の基本やメリットは以下の記事をご参照ください。
目次
米国債の購入に関する基本情報
米国債の購入手順は最初に説明した3つの手順なので非常に単純。
ちなみに、米国債には新発債と既発債がありますが、我々が購入するのは既発債となります。
そのため、元々が償還期間30年の米国債であっても、残存期間は当初の償還期間より短い期間になります。
新しく発行された債券を「新発債」と言い、既に発行されている債券を「既発債」と言います。
米国債の場合、新発債の購入は難しく、既発債は既発債市場で活発に売買されているため、基本的には証券会社から既発債を購入することになります。
また、米国債は株とは違って「A社株が1000円になったら購入」のような、指値注文等はできません。
買いたい時に証券会社で扱っているものを選んで購入することになります。
米国債が購入できる証券会社を比較
では、米国債を取り扱っている証券会社を比較してみましょう。
あなたに合った証券会社を選ぶことが米国債投資への第一歩です。
比較対象は以下4社とします。ネット証券2社と従来型の大手証券2社の合計4社です。
会社 | 形態 |
SBI証券 | ネット証券 |
楽天証券 | ネット証券 |
SMBC日興証券 | 従来型の店頭証券 |
大和証券 | 従来型の店頭証券 |
取り扱い数は?
まずは気になる取り扱い数。ここでいう取り扱い数は、残存期間が異なる米国債をどれだけ扱っているかということです。
残存期間が異なる米国債の取り扱い数が多いと、投資方法に幅が広がります。また、子どもの大学費用や年金受給までの期間の生活費など、自分のライフプランにぴったりのものを選択できたりして便利です。
<取り扱い数比較(2019年2月現在)>
会社 | 米国債数 | 残存期間 |
SBI証券 |
|
1.5年~26年 |
楽天証券 |
|
1.5年~6.5年 |
SMBC日興証券 |
|
1.5年~28年 |
大和証券 |
|
4年~25年 |
こう見ると従来型証券の方が多いのですが、ネット証券も頑張っていますね。
しかし、SMBC日興証券は利付債・割引債(違いは後に説明)も、残存期間を見ても豊富な数ですね。
どれだけの利回りか?
やっぱり気になる利回りも比較します。同じような残存期間の米国債で、証券会社毎に利回りで差異がでるのか見てみましょう。
<利回り比較(2019年2月現在)>
会社 | 米国債(比較対象) | 利回り |
SBI証券 |
|
2.456% |
楽天証券 |
|
2.45% |
SMBC日興証券 |
|
2.47% |
大和証券 |
|
2.3% |
ここでもSMBC日興証券が少しだけリードといったところでしょうか。
しかし、SBI証券もSMBC日興証券に肉薄しています。つい最近までSBI証券を始めとしたネット証券は、米国債の取り扱いがいまいちだったのですが、状況は変わってきていますね。
どんな手数料が必要?
儲けを気にするなら、もちろん手数料も重要です。手数料関係も比較しましょう。
- 購入手数料・売却時の手数料
各社無料です。 - 為替手数料
米国債はドルで購入するため、円をドルに両替するための為替手数料がかかります。
これも各社で異なっているので、比較してみましょう。会社 為替手数料(1ドル毎) SBI証券 片道4銭(SBIネット銀行経由) 楽天証券 片道25銭 SMBC日興証券 片道50銭(10万ドル以上だと30銭) 大和証券 片道50銭 SBI証券が最も低いですね。SBIネット銀行にて外貨預金を行って、その銀行口座⇔証券口座に反映させる必要がありますが、さほど手間ではありません。SBI証券を利用した両替から買い付けまで、こちらの記事で手順をまとめています。
為替手数料の差1ドル100円で1万ドル(100万円)両替する場合の為替手数料の比較です。片道4銭だと「400円」、片道50銭だと「5,000円」の手数料。これは片道(円⇒ドル)なので、往復(ドル⇒円)の場合は2倍になります。 - 口座管理手数料
口座を維持することで必要な手数料です。大和証券のみ年間3,240円が必要で、他社は無料です。
購入するのにいくら必要?
最後に、購入するための最低金額をお伝えします。ネット証券と従来型証券で差がでました。
会社 | 最低金額 |
SBI証券 | 100ドル |
楽天証券 | 100ドル |
SMBC日興証券 | 1,000ドル |
大和証券 | 1,000ドル |
ネット証券は少額から始められるので、最初は資金がなくてもスタートしやすいですね。
ちなみに購入方法ですが、ネット証券は勿論、従来型の総合証券もネットで購入できます。大和はだいぶ商品が限られていますが・・・
まとめ:結局どの証券会社が良いか?
- 資金がある程度有・10年以上長く運用したい方
取扱数が多く、利回りが高いSMBC日興証券・SBI証券がおすすめ
- 5~10年程度で短く運用したい方
為替手数料が安く、取扱数も増えてきたSBI証券がおすすめ - 資金があまりなく、コツコツ積み立て投資する方
最低購入金額と為替手数料が安い、SBI証券・楽天証券がおすすめ
全てにSBI証券が出てきますね。手数料も低いですし取り扱い量が多いので必然ですね。
口座を持っていない方は開設からがスタート!完全無料!5分で開設可能。
SBI証券を利用した米国債投資の始め方は、以下の記事で詳細に説明しています。
購入する米国債の種類
米国債には、「利付債」と「割引債(ゼロクーポン債・ストリップス債)」があります。この2つは、利子の支払い方法に違いがありますので、メリット・デメリットと併せて説明しましょう。
利付債
利付債は、決まった利子が年2回もらえるタイプの米国債です。
100ドルの米国債を100ドルで購入。満期までの期間に利子を受け取って、満期に元本を受け取る形になります。
年に2回決まった金額が手元に入るので、生活費に充てたり、他の投資に充てることが可能です。株の配当金みたいでわかりやすいですね。
SMBC日興証券で扱う利付債の一部を載せておきます。「利率」が毎年受け取る利子です。年に2回なので、1回でもらえる利息は半分ずつです。
割引債(ゼロクーポン債、ストリップス際)
割引債は、毎年の利払いはないが、その分安く購入できるタイプの米国債です。
100ドルの米国債を100ドルより少ない金額(例えば50ドル)で購入。満期になると100ドルを受け取る形になります。満期までの間に利子は受け取れません。
途中で利子が受け取れないので、利子分を価格に反映させており、購入価格が安くなっています。
SMBC日興証券で扱う利付債の一部を載せておきます。毎年の利子がないので「利率」はゼロです。「参考価格」が購入時の価格であり、残存期間によって異なっています。
利付債と割引債どっちが良いか?
利付債は毎回の利子の都度、受け取った利子に対して約20%の税金が徴収されます。一方割引債は、満期を迎えたところで税金の徴収となります。
同じ税金を払うからどちらも一緒では?と思いがちなのですが、「税金の繰り延べ」という考え方があります。
割引債は最後に税金を払うので、満期までは税金の支払いが猶予されています。
猶予されているということは、満期までの間、投資の利益に課税される税金を繰り延べることができます。
30万円の支払いが必要であるが、20年後に払えば良いとされているとしましょう。
支払いまでの猶予期間に30万円を年利3%(複利)で運用すると、20年後に約55万円となります。
払わないといけないお金も、猶予期間があれば、その間に自分の資産として増やすこともできます。
このように、税金の繰り延べ効果があることから、割引債の方が効率的に運用できると言われています。
税金の繰り延べ効果がある投資としては、くりっく株365によるインデックス投資もおすすめ。
参考:米国債の購入プラン
「資金を一斉投入」・「定期的な買い増し」どちらも効果があります。あなたの人生設計に合った投資をしましょう。
- まとまった資金がある方
低リスクで運用できる米国債に一斉投資して、将来の利回りを確定させる。 - まだ資金が少ない若い方
米国債を定期的に買い増すことで「時間の分散効果」を得る。
「時間の分散効果」のメリットは、こちらに詳しく書いていますので、ご覧ください。
まとめ:米国債の投資は簡単
米国債投資の始め方についてご理解頂けたでしょうか?
株式のように銘柄で迷う必要もなく、非常に簡単ですよね。
爆発力はありませんが安定運用できる商品なので、ポートフォリオに入れて損はありません。知らなきゃ損ですね。
口座を持っていない方は開設からスタート!完全無料!5分で開設可能。
私はSBI証券で2万ドルを運用中。一緒に始めたい方は、SBI証券での買付け手順を纏めた以下の記事を参考にどうぞ。
あわせて読みたいSBI証券での米国債の買い方・始め方まとめ【両替~買い付けまで】
米国債は現物だけでなく、ETFによる投資も可能です。以下の記事を参考にしてください。
米国債に興味を持たれた方には、ぜひ読んでほしい記事です。
あわせて読みたい
他にも、比較的低リスクで、配当金を貰い続ける投資方法があります。これもポートフォリオに加えると分散効果が出てきますね。
この記事が、あなたの投資判断の一助となることを願います。
では、また。