投資先の分散に迷っている方に、ひとつ提案です。
分散投資の方法として、外国株のインデックス投資は鉄板です。ETFや投資信託で、外国株への分散投資が代表的な投資方法。
なかでも、米国株のS&P500が、中長期的な株価の伸びが良く、メジャーなインデックスですね。
でも、本記事では視点を変えて「CFD取引によるFTSE100への投資」を紹介します。あまりメジャーではないので、CFD取引?FTSE100?って感じかもしれません。
CFD取引 :レバレッジをかけた投資方法(実際の資金より多くの金額の取引ができる)
FTSE100 :イギリスの株価指数(代表的な100社の株価平均のようなもんです)
あまり聞かない商品なので一瞬怪しく感じるかもしれません。実はこれも米国債と同じように、銀行・証券会社で紹介されない投資方法であり、マイナーです。(私の知人の多数の金融営業マン、CFD紹介します。ごめん・・・)
私からすると、安定的な長期投資として、分散投資先の選択肢に加えるのは十分にアリです。
- レバレッジをかけて少額で始められる
- 高配当を得られる
- 為替リスクが回避できる
目次
株価指数CFDのオススメ運用方法は?
CFDとは最初に説明した通り、レバレッジをかけた投資方法を指します。メジャーなCFDは皆さんご存知「FX」です。
今回紹介するのはCFDのうち、株価指数(インデックス)へ投資するCFDとなります。この株価指数CFDは、一部の証券会社から投資できます。
まず種類としては、くりっく株365(取引所CFD)と店頭CFDがあります。
どちらを選ぶのか、先に結論からいうと高配当狙いの作戦は「くりっく株365」の一択です。
2021年3月より、くりっく株365の取引ルールが変わるため、配当狙いの長期投資では不利になりました。
配当が貰えることに変更はありませんが、ポジションは1年以内に決済する必要があり、長期的に保有できなくなりました。ルール変更内容はこちらもご覧ください。
「くりっく株365」と「店頭CFD」の違い
くりっく株365と店頭CFDとの違いを下表で比較しました。
比較対象 | くりっく株365 | 店頭CFD |
運営母体 | 東京金融取引所 | 各証券会社 |
取扱商品数 | インデックス4種類 | 100種類以上 |
配当 | あり | あり(※) |
為替の影響 | 受けない | 受ける |
売買手数料 | 148円~ | 0円 |
スプレッド | 広い | 狭い |
決済期限 | 1年 (2021年3月から) |
なし |
※ 価格調整額等が配当の代替となる
大きな違いは赤字の箇所です。
見ての通り、「くりっく株365」は配当金、店頭CFDは価格調整額等が配当相当となり、今回の作戦「配当狙いの投資」だと「くりっく株365」・「店頭CFD」どちらも該当します。
店頭CFDは、取引手数料もなく、スプレッド(売値と買値の差)も狭いので短期売買でも有利です。もちろん、短期売買だと株価が気になって仕方なくなるため、あくまでスタンスは長期投資です。
安定的な資産運用を推奨する私のスタンスは「配当金を貰いながらコツコツ」です。
また、為替リスクがないのは「くりっく株365」のメリットのひとつです。
全て円で取引できるので、外貨両替の必要なし。つまり、円安・円高を気にすることなく安心して投資できます。
一方、店頭CFDは為替影響があるので、少し頭を捻る必要がありますが、長期投資前提なので過度な心配は不要。
<2019年6月更新>
何より大きいのは決済期限でしょうか。2019年5月末にくりっく株365にて重大発表がなされました。
それは、2021年3月を以て既存の商品は廃止され、今後は1年後に決済期限を迎える商品のみになるということ。
こうなると、1年後の株価を気にする必要があるため、配当目的の長期投資ができなくなってしまいます。
よって、残念ながら店頭CFD(GMOクリック証券)に引っ越しをすることになりました。
GMOクリック証券での投資にあたっては、こちらもご参考にどうぞ。
株価指数CFDで運用するオススメ銘柄は?
くりっく株365で扱う商品は、以下4種類の株価指数です。
パッと見で馴染み深いのは、「日経平均株価」や「NYダウ」ですかね。
ただ、私がおすすめするのは「FTSE100」です。これは、くりっく株365でも店頭CFD(扱いはGMOクリック証券のみ)でも変わりありません。
2017年のある時期までは「NYダウ」が人気で、たしかに儲かっていました。しかしながら、アメリカの金利上げにより旨味がなくなりました。
銘柄の比較
「くりっく株365」で扱う4銘柄について、どれだけの配当利回りを得られるか比較します。
FTSE100が圧倒的にパフォーマンスが良いことがわかりますよね。
必要証拠金額のみで運用すると、値下がりですぐロスカットされます。なので、実際は余裕資金を投入する必要がありますが、この高利回りは活かすしかありませんね。
FTSE100は信用できるのか
FTSE100はイギリスの大手企業100社で構成されていますが、イギリスの企業と聞いてもピンとこないかもしれません。どんな企業が組み入れられているのか、上位の会社を列挙しました。
会社 | 比率(%) | 業種 |
HSBC HOLDINGS | 6.75 | 金融 |
ROYAL DUTCH SHELL | 5.9 | エネルギー |
BP | 5.7 | エネルギー |
ROYAL DUTCH SHELL | 4.91 | エネルギー |
ASTRAZENECA | 4.34 | ヘルスケア |
GLAXOSMITHKLINE | 4.03 | ヘルスケア |
DIAGEO | 3.93 | 生活必需品 |
BRITISH AMERICAN TOBACCO | 3.53 | 生活必需品 |
RIO TINTO | 2.71 | 素材 |
UNILEVER | 2.47 | 生活必需品 |
HSBCは全世界に展開している金融機関です。売上は10兆で、三井住友フィナンシャルグループの2倍近くです。日本でもロゴを見ることがあるかも。
ロイヤル・ダッチ・シェルも、ガソリンスタンドを展開しており有名ですね。生活に馴染みのあるユニリーバもご存知ないでしょうか。
ついでに、構成する業種も載せておきますね。金融とエネルギーがメインです。
といった感じで、あまり知らないと思いきや、有名企業が並んでいます。上の表には出てきませんでしたが、高級車のロールスロイスや、通信大手ボーダフォンも入ってたりします。
FTSE100は信用ある会社で構成された株価指標であることがおわかり頂けましたね。
FTSE100は長期投資に向いている
FTSE100はイギリスの代表的な企業100社の株価を反映しています。
そのため、資本主義の発達・企業の成長で、今後も株価が上がっていくことが期待できます。過去の株価推移を見れば納得ですね。
【FTSE100の過去50年分のチャート】
株価ですので暴落もありますが、長い目で見ると、着実に上がっています。
ということは、時間をかけて投資することで、配当だけでなく値上がり益も得ることができるのです。
株価指数CFDによるFTSE100の運用方法は?
では、どのように運用して利益を得るか、具体的に説明しましょう。
FTSE100の利回りは、最大85%になると説明しました。これは単純に必要証拠金だけで見た配当利回りなので、実際はそう簡単にはいきません。
どのようにリスクに立ち向かうか
レバレッジを効かせる投資は、とにかくロスカットされないことが大事。急な値下がりが起きても耐えられるように、必要証拠金に対する余裕資金を投入する必要があります。
くりっく株365のCFDでは、株価指数が100ポイント変動すれば、1取引単位につき資産が1万円上下します(100倍の動き)。
くりっく株365の取引単位は「枚数」で、株価は「ポイント(1ポイント100円)」で数えます。つまり、FTSE100が7,000ポイントであった場合、1枚は70万円分(100倍)です。
1枚購入するのに最低限必要な金額「必要証拠金」が26,000円であれば、約27倍(70万/2.6万)のレバレッジをかけられることになります。
このように、少ない資金で多くの金額を動かせるのが、レバレッジの利点です。
ただし、マイナスに触れるとその分損も大きくなるため、最悪の場合に強制決済(ロスカット)。つまり投資資金がパーになる恐れがあります。
ですので、ロスカットを防ぐには、常に下図の状態にしておきましょう。
安定的に高利回りで運用するには
FTSE100はレバレッジなし(現物買)でも、3%程度の配当利回りが得られます。
これだけでも十分とも言えますが、CFDのメリットはレバレッジを効かせられること。レバレッジを2倍、3倍・・・とすれば、利回りも2倍、3倍・・・になるんです。
とはいえレバレッジが大きいと「ロスカット」も怖い。
過去チャートをもう一度見てみましょう。
2007年の後半の高値から、2009年前半の安値の差は「2,900ポイント」。これは、100年に一度といわれる「リーマンショック」の影響で付けた安値ですね。
1ポイントの下落で100円の損なので、2,900ポイントの下落だと29万円の含み損。
つまり、1枚につき「必要証拠金(2.6万円)+29万円」を入金しておかないとロスカット。安全を取るなら、リーマンショックの下落基準でレバレッジをかけるのが得策ですね。
てなわけで、1枚購入する場合は約30万の入金。1枚が70万円の価値(7000ポイント)の場合は、2.3倍のレバレッジ(証拠金維持率1,150%)が安全圏ということですね。
利回りも2.3倍になるので、実際の利回りは「3%×2.3=約7%」となります。
私も無知だった頃、FXで無茶なレバレッジをかけて、何度もロスカットされていました。溶かしたお金200万ぐらいです・・・
FTSE100のレバレッジ運用については、以下の記事でもっと深堀していますのでご参照ください。
株価指数CFDのオススメ証券会社は?
くりっく株365を扱う業者は増えていますが、わかりやすい以下5社を比較して紹介します。
証券会社 | 手数料 | ロスカット基準 | 特徴 |
ひまわり証券 | 148円 | 100% | 手数料が低く、自動売買ツールもある |
日産証券 | 151円 | 70% | 手数料が低く、ロスカット基準が低い |
岡三オンライン証券 | 153円 | 50~100% | ツール豊富、ロスカット基準が選択できる |
フジトミ | 153円 | 100% | 対面相談プラン有、セミナーも頻繁に開催 |
マネックス証券 | 152円 | 100% | 証券会社として米国株に強く情報量が多い |
ひまわり証券は、手数料の安さで頭ひとつ出ていますね。自動売買ツールもあるので、手数料の安さと合わせ技で、短期売買での利益も狙えるのが特徴です。
あとは、ロスカット基準が低い岡三オンライン証券と日産証券。他はロスカット基準が100%ですが、この50%・70%は目立ちますね。
ロスカット基準100%とは、「入金額+含み益」<「必要証拠金+含み損」となった時点でロスカットとされることを指します。この基準が70%になると、ロスカットの可能性がより低くなります。
ただし、ロスカット基準が70%の会社で運用する場合でも、基準が100%であるという意識で取引を行ってください。70%基準で楽観的にレバレッジをかけると、油断が発生し危険です。とはいえ、急な値下がり時に、入金までの猶予が長いほうが精神衛生上良いですね。
まとめ:FTSE100は配当狙いの長期投資向き
どうでしたか?
CFDによるインデックス投資も、分散投資先として面白くないですか?
株式・ETF・投資信託・債券等の現物とは違って、CFDはレバレッジを効かせられるので、その分利回りが高くなることが大きなメリットです。
もちろん値下がり時のリスクもありますが、安全なレバレッジで我慢強い長期投資を行うことで、安定的な利益が得られます。
興味を持たれた方は、以下の関連記事もご参照ください。
この記事が、皆様の資産運用計画の一助となれたら幸いです。
では、また。