FXで最も低リスクな手法「スワップポイントのサヤ取り」
今回は「メキシコペソ」での実践方法を紹介します。
やり方さえ理解すればすぐに始められ、年間3~5%の利回りが得られる方法です。
メキシコの通貨「ペソ」は、新興国通貨ですが近年価格が安定しています。
政策金利も「8%」と高金利なので、貰えるスワップポイント多いことが魅力。
とはいえ新興国通貨。リスクが高い通貨であることには違いない・・・
そんな不安を払拭すべく、本記事では以下を徹底的に解説します。
この記事でわかること
- スワップサヤ取りの方法
- サヤ取りで得られる利益と費用
- メキシコペソの特徴
- リスクを抑えるためのレバレッジ戦略
多くの通貨を紹介してますが、メキシコペソが最もリスク・リターンのバランスが取れている通貨かも。
(初心者向け)スワップポイントのサヤ取りの基本はこちら。
目次
FX各社のスワップポイントを比較
スワップポイントのサヤ取りは、各FX会社のスワップポイント(スワポ)の差額により利益を得ます。
有利な会社を組み合わせて、スワポの差額を頂くってことですね。
なので、最低でも2社のFX口座が必要。有利に運用するために複数社の口座を作っておくのがベストですね。
どこの会社が「買い」スワポが高く、どこの会社が「売り」スワポが低いのか、しっかり見極めることで利鞘も大きくなります。
そこで、各社のスワポ(1万通貨あたり)を調べてみました。以下の表をご覧ください。
スワポが有利となる主要な会社は以下。口座開設はこちら。
最新スワップはこちらでチェック。
スワップポイントサヤ取りシミュレーション
では、2019年8月にサヤ取りを行った場合の利益と費用をシミュレーションしてみましょう。
サヤ取りの利益計算
セントラル短資とみんなのFXで行った場合です。
こんな感じで、各社スワップポイントの履歴が見れます。
まとめた結果が以下のとおり。50万通貨で運用した場合の利益です。
50万通貨の両建てで、1か月で6,120円の利益となりました。
スプレッド(手数料)も考慮
実際に注文するには、スプレッド(手数料みたいなもの)も発生します。
具体的には以下の通り。
会社 | スプレッド | 10万通貨 | 50万通貨 | 100万通貨 |
セントラル短資 | 0.3銭 | ¥300 | ¥1,500 | ¥3,000 |
みんなのFX | 0.3銭 | ¥300 | ¥1,500 | ¥3,000 |
合計 | – | ¥600 | ¥3,000 | ¥6,000 |
50万通貨だと、最初に3,400円の赤字ですね。
サヤ取り額を半月運用して回収できる金額です。
50万通貨で運用した場合のまとめ
- 最初の1か月の利益は「3,120円(6,120-3,000)」
- その後は毎月「6,120円」が貰える。年額にして73,440円。
メキシコってどんな国?
メキシコってどんな国なのか。
メキシコは、アメリカ大陸の南に位置する国です。テキーラやコーヒーの産地ですので、私たちも馴染み深いかも。
メキシコは政策金利8%と高い金利です。これにはインフレ率が関係しています。
インフレとは「物の価値が上がって・通貨の価値が下がること」。インフレを一定水準に収めるには、金利を上げることが有効です。
ただ近年はインフレ率が4%程度となっており、インフレは収束気味です。
そのため、今後は利下げに向かうかもしれません。
【参考①】メキシコの信用格付け
メキシコは、他の新興国とは違って信用格付けが高いのが特徴。
S&Pやムーディーズなどの格付け機関が発表している、各国の債務支払いに対する信用度を表しています。Aに近づくほど、Aや+が増えるほど信用が高い国となります。
早速見てみましょう。
国 | 評価 | 評価内容 |
オーストラリア | AAA | 投資適格 |
アメリカ | AA+ | |
日本 | A+ | |
中国 | A+ | |
メキシコ | A- | |
南アフリカ | BB+ | 投機的 (投資不適格) |
トルコ | BB- |
人気の高金利国「南アフリカ」と「トルコ」は格付けが低く、投機的とされていますね。
一方のメキシコはA-の投資適格に位置付けられ、新興国の中でも信用が高い国とされています。
【参考②】メキシコの人口分布
メキシコの人口は増加しており、若い世代が多いため発展が見込める国と言えます。
日本は逆に人口減少&少子高齢化のダブルパンチですからね・・・
メキシコと日本の人口推移はこちら。
メキシコは人口がガンガン伸びていますね。
人口分布も参考に。
若い世代が多いので、まだまだ発展の可能性を秘めています。
安定性と成長性のバランスが取れており、投資先として面白い国ですね。
注意すべくはロスカット
スワップサヤ取りのリスクは「急な為替変動によるロスカット」。
想定外の急落が発生し「買い」口座がロスカット(強制決済)されると大変です。
残った「売り」口座は、為替レートで大きな損をするかもしれません。
ロスカットを防ぐためは、以下の状態を死守する必要があります。
必要証拠金は「ポジションを得るために絶対に必要とする金額」のこと。
入金額から含み損を引いた金額が、必要証拠金を下回るとロスカットが発生します。
メキシコペソの値動きは?
ではメキシコペソの値動きを見てみましょう。
ガクっと落ちた時期もありますが、近年は殆ど横ばいですね。
元々の価格が非常に低いので見え辛いですが、1円の上下で10%以上の変動です。
0.4円程度は年に数回動いているので、完全に安心してはいられませんね。
スワップポイントのサヤ取りは、「買い」「売り」を両建てしているので、急落してもプラマイゼロになる仕組み。なので、為替変動は損益に関係なし。
1日でどれほど値動きがあったかも見てみます。
2008年のリーマンショック時に記録にした「1.44円」が最大の変動幅。
もうひとつ見方を変えて、1日の値動きの変動率(高値と安値の差)を見てみます。
2008年の下落はとんでもないインパクトでしたね。
これらを念頭において、スワップポイントサヤ取りのレバレッジ戦略を立てます。
サトルのレバレッジ戦略を紹介
ロスカットを防ぎつつ、最大限の利益を得るためのレバレッジ戦略を考案しました。
ここからが大切なので、じっくり読んでくださいね。
必要証拠金
まずは、最低限必要な金額(必要証拠金)を計算します。
メキシコペソのレート(5.52円)に当てはめると、以下となります。
レート | 数量 | レバレッジ | 必要証拠金 |
¥5.52 | 1万通貨 | 25倍 | ¥4,416 |
10万通貨 | 25倍 | ¥44,160 | |
50万通貨 | 25倍 | ¥220,800 | |
100万通貨 | 25倍 | ¥441,600 |
(※)必要証拠金は両建て分の合計。
これは、あくまでも最低金額(レバレッジ25倍)なので、レートが動くと即ロスカットされます。
この必要証拠金をベースとして、ロスカットを防ぐための余裕資金を考えます。
サトルのレバレッジ戦略
まずは結論からドドーンといきます。
サトルの推奨は3.2~3.3倍
このレバレッジで計算した結果は以下のとおり。
レート | 数量 | 必要資金 | 年間利益 | 利回り | 証拠金維持率 |
¥5.520 | 1万通貨 | ¥33,455 | ¥1,460 | 4.36% | 757% |
10万通貨 | ¥334,545 | ¥14,600 | |||
30万通貨 | ¥1,003,636 | ¥43,800 | |||
50万通貨 | ¥1,672,727 | ¥73,000 | |||
100万通貨 | ¥3,345,455 | ¥146,000 |
(※)必要資金は両建て分合計
利回りは4.36%。低リスクでこの結果なら、十分過ぎる利回りです。
ちなみに、レバレッジ3.2~3.3倍と幅を持たせているのは、為替レートによって変わるから。
最新レートを基にした適正レバレッジはこちら。これを読めば今すぐ始められます。
レバレッジ戦略の考え方
サトルはレバレッジ戦略をどうやって立てたのか、その方法を説明します。
この考え方は色んな投資でも応用できるので、読んでおいて損はないかと。
近年の値動きは安定しているけど、やっぱり新興国通貨。
1日で1.4円下落したこともあるし、1日で17%も下落したこともある通貨です。
2008年に1.4円下落したけど、それはレートが8円の頃。今は1ペソ5.5円程度です。
元値が小さいので8円も5.5円も近く見えるけど、10倍すると80円と55円。当時より35%近く下がってるんですよね。
てなわけで、さすがに今の為替レートで1日1.4円の下落はあり得ないと考えます。
- 口座間の資金移動に2日程度必要(出金がリアルタイムでない)
- 急用や急病時に為替変動に気付けない可能性あり
そのため、1日の為替変動ではなく数日間の為替変動を考慮する方が良さそうですね。
では、以下のグラフをご覧ください。
このグラフは最大5日間までの変動率を出しています。
例えば「5日変動率」は、5日間での最安値・最高値の差をパーセンテージにしているわけ。
各期間の最大変動率はこちら。
1日間 | 2日間 | 3日間 | 4日間 | 5日間 |
17.2% | 20.5% | 25.8% | 27.5% | 28.4% |
下落が数日続く場合があるため、期間が長くなるほど変動率は高くなります。
トルコリラでは、暴落の歴史を鑑みて5日間の変動率を採用しました。
けど、5日間の変動率28%で計算すると「1.4円」を超えちゃいます。ちょっとやり過ぎかな。
そこで私は3日間の変動率(25.8%)を採用することにしました。
変動率25.8%は、現在レートの5.5円だと1.42円。
つまり、1.42円の変動に耐えられるレバレッジが妥当と考えました。
でもって、実際にレバレッジを計算。
レバレッジは約3.3倍となるわけです。
参考:レバレッジ毎の必要資金
その他レバレッジ毎の必要資金です。私の戦略と異なるレバレッジとする方はこちらを参考に。
証拠金維持率が100%に近付くとロスカットの危険が迫ります。下の表にある証拠金維持率を目安に管理してください。
(※)必要資金は両建て分の合計です。
100万通貨を超えると、年間約15万円の利益となり、旨味が増してきます。
あなたのタイプ別の推奨レバレッジ
私と同じ戦略も良いですが、「もっと利益がほしい」または「もっと安全が良い」って方もいるかもしれません。
ですので最後に、あなたのタイプ別おすすめレバレッジを紹介します。投資判断の参考にしてください。
- 多少のリスクを許容し利益重視(若者向け)
1日の最大変動率17.2%に耐えられる設定。少しリスクをとって4.7倍です。レート 数量 必要資金 年間利益 利回り 証拠金維持率 ¥5.520 1万通貨 ¥23,489 ¥1,460 6.21% 531% 10万通貨 ¥234,894 ¥14,600 30万通貨 ¥704,681 ¥43,800 50万通貨 ¥1,174,468 ¥73,000 100万通貨 ¥2,348,936 ¥146,000 (※)必要資金は両建て分合計
- リスクとリターンのバランス重視(子育て世代向け)
私と同じ設定はいかがでしょう?サトルは2児の父です。 - リスク低めで安定重視(余裕がある方向け)
5日の最大変動率28.42%に耐えられる設定。レバレッジは3.1倍です。レート 数量 必要資金 年間利益 利回り 証拠金維持率 ¥5.520 1万通貨 ¥35,613 ¥1,460 4.10% 893% 10万通貨 ¥356,129 ¥14,600 30万通貨 ¥1,068,387 ¥43,800 50万通貨 ¥1,780,645 ¥73,000 100万通貨 ¥3,561,290 ¥146,000 (※)必要資金は両建て分合計
利益を再投資していくと複利の効果で資産は倍増します。
- 200万円を利回り6.22%で複利運用すると14年後に約400万円に。
更に3万円を毎月積み立てると12年後に約1000万円に。 - 200万円を利回り4%で複利運用すると18年後に約400万円に。
更に3万円を毎月積み立てると14年後に約1000万円。
まとめ:上下が激しい新興国通貨ならではの手法!
いかがでしたか?
新興国通貨はギャンブルと捉えられがち。けどしっかり戦略を立てれば、低リスク・ミドルリターンが達成可能です。
最近だと大きな為替変動もないので、比較的安心して始められます。
しかも、メキシコペソはスプレッドが狭いため、初期費用の回収が早いのがメリットですね。
投資で一番大事なのことは「絶対に損をしない」こと。
スワップポイントのサヤ取りは、きちんと運用すれば損をしない投資です。
最後にオススメのFX会社を紹介。
完全無料!5分で開設可能。始める会社の選択肢は多いほどお得です。
その他通貨のスワップのサヤ取りについてはこちら。
FXと同じようにレバレッジを効かせる商品で、配当金を貰い続ける投資方法もあります。
これもポートフォリオに加えると分散効果が出てきます。
この記事が、皆様の資産運用計画の一助となれたら幸いです。
では、また。