FXで最も低リスクな手法「スワップポイントのサヤ取り」
今回は「ユーロ/米ドル」での実践方法を紹介します。
やり方さえ理解すればすぐに始められ、年間2~5%の利回りが得られる方法です。
スワップポイントのサヤ取りでは、レバレッジを効かせることで利ザヤを伸ばせます。
しかし、レバレッジを大きくすると今度はロスカットの危険が・・・
そんな不安を払拭すべく、本記事では以下を徹底的に解説します。
この記事でわかること
- スワップサヤ取りの方法
- サヤ取りで得られる利益と費用
- ユーロ/米ドルの特徴
- リスクを抑えるためのレバレッジ戦略
(初心者向け)スワップポイントのサヤ取りの基本はこちら。
目次
FX各社のスワップポイントを比較
スワップポイントのサヤ取りは、各FX会社のスワップポイント(スワポ)の差額が利益になります。以下のイメージ。
有利な会社を組み合わせて、スワポの差額を頂くってことですね。
そのため最低でも2社のFX口座が必要です。
有利な会社で運用するために、あらかじめ複数社の口座を作っておくことをオススメします。
そこで、各社のスワポ(1万通貨あたり)を調べてみました。以下の表をご覧ください。
スワポが有利となる主要な会社は以下。口座開設はこちらから。
最新スワップはこちらでチェック。
ユーロ/米ドルのスワップサヤ取りシミュレーション
では2019年3月にサヤ取りを行った場合の利益をシミュレーションしてみましょう。
サヤ取りの利益計算
外為オンライン(くりっく365)とDMM FXで行った場合です。
各社の画面の見方は以下の通り。
試しに1ヶ月分をまとめてみました。10万通貨で行った場合の利益です。
10万通貨の両建てで1か月6,726円の利益となりました。
スプレッド(手数料)も必要
実際に注文する際、スプレッド(手数料)も発生します。
具体的には以下の通り。
スプレッド | 10万通貨 | 30万通貨 | 100万通貨 | |
外為オンライン (くりっく365) |
1.4pips | ¥1,558 (14ドル) |
¥4,675 | ¥15,582 |
DMM FX | 0.4pips | ¥445 (4ドル) |
¥1,002 | ¥3,339 |
合計 | – | ¥1,892 | ¥5,676 | ¥18,921 |
※1ドル:111.3円で計算
10万通貨だと、最初に1,892円の赤字ですね。
サヤ取りを1週間程度運用して回収できる金額です。
スプレッドが狭い通貨なので、初期費用の回収が早いのがメリット。
- 最初の1か月の利益は「4,834円(6,726-1,892)」
- その後は毎月「6,726円」が貰える。年額にして80,715円。
注意すべきはロスカット
スワップサヤ取りのリスクは「急な為替変動によるロスカット」。
想定外の急落が発生し「買い」口座がロスカット(強制決済)されると大変です。
残った「売り」口座は、為替レートで大きな損をするかもしれません。
ロスカットを防ぐためは、以下の状態を死守する必要があります。
必要証拠金は「ポジションを得るために絶対に必要とする金額」のこと。
入金額から含み損を引いた金額が、必要証拠金を下回るとロスカットが発生します。
ユーロ/米ドルの値動きはどうか
ユーロ/米ドルは先進国通貨の組み合わせ。取引量も多く、値動きは大きくありません。
その点でスワップポイントのサヤ取りに非常に向いている通貨ペアです。
実際の為替変動がどれほどなのか、過去チャートをご覧ください。
基本的に横ばいの動き。値動きの激しい新興国通貨とは比べものにならない安心感です。
とはいえ1年で0.1ドル程度(約10円)は上下するので油断禁物。
1日でどれほど値動があったかも見てみます。
2008年のリーマンショック時に記録した「0.0526(526pips)」が最大の変動幅。
もうひとつ見方を変えて、1日の値動きの変動率(高値と安値の差)を見てみます。
変動率が最も大きかったのは、イギリスのEU離脱(ブレグジット)が国民投票で決まった日の4.5%でした。
これらを念頭において、スワップポイントサヤ取りのレバレッジ戦略を立てます。
サトルのレバレッジ戦略を紹介
ロスカットを防ぎつつ、最大限の利益を得るためのレバレッジ戦略を考えました。
ここからが大切。じっくり読んでくださいね。
必要証拠金
まずは最低限必要な金額(必要証拠金)から。以下の計算式で求められます。
(通貨のレート × 保有通貨数 × ドル円レート )/レバレッジ
ユーロ/米ドルのレート(1ユーロ1.124ドル、1ドル111.3円)に当てはめると、以下のようになります。
レート | 数量 | レバレッジ | 必要証拠金 |
1.124 | 1万通貨 | 25倍 | ¥100,081 |
10万通貨 | 25倍 | ¥1,000,810 | |
50万通貨 | 25倍 | ¥5,004,048 | |
100万通貨 | 25倍 | ¥10,008,096 |
(※)必要証拠金は両建て分の合計。
必要証拠金は最低金額(レバレッジ25倍)なので、レートが動くと即ロスカットです。
この必要証拠金をベースとして、ロスカットを防ぐための余裕資金を考えます。
サトルのレバレッジ戦略
まずは結論からドドーンといきます。
サトルの推奨レバレッジは9.9~10倍
このレバレッジで計算した結果は以下のとおり。
レート | 数量 | 必要資金 | 年間利益 | 利回り | 証拠金維持率 |
1.124 | 1万通貨 | ¥250,202 | ¥8,071 | 3.23% | 250% |
10万通貨 | ¥2,502,024 | ¥80,712 | |||
30万通貨 | ¥7,506,072 | ¥242,136 | |||
50万通貨 | ¥12,510,120 | ¥403,560 | |||
100万通貨 | ¥25,020,240 | ¥807,120 |
(※)必要資金は両建て分合計
利回りは3.23%。低リスクでこの利回りなら及第点ですね。
大きな利益は得られませんが、初期費用の回収が早いのがメリット。
初期費用がすぐ回収できれば、緊急でお金が必要となった場合でも損失無く撤退できます。
レバレッジに9.9~10倍と幅を持たせているのは、為替レートによって変わるから。
最新レートを基にした適正レバレッジはこちら。これを読めば今すぐ始められます。
レバレッジ戦略の考え方
前述のレバレッジ戦略をどうやって立てたのか、その方法を説明します。
気になる方はじっくり読んでください。
ユーロ/米ドルは先進国通貨なので、新興国通貨のような大きな値動きはありません。
1日の最大変動率(高値と安値の差)でも4.5%程度。
- 口座間の資金移動に2日程度必要(出金がリアルタイムでない)
- 急用や急病時に為替変動に気付けない可能性あり
そのため、1日の為替変動ではなく数日間の為替変動を考慮する方が良さそうですね。
では、以下のグラフをご覧ください。
このグラフは最大5日間までの変動率を出しています。
例えば「5日変動率」は、5日間での最安値・最高値の差をパーセンテージにしています。
各期間の最大変動率はこちら。
1日間 | 2日間 | 3日間 | 4日間 | 5日間 |
4.51% | 6.06% | 7.39% | 9.00% | 9.97% |
下落が数日続く場合があるため、期間が長くなるほど変動率は高くなります。
そこで私は2日間の変動率(-6.06%)を採用。
大きな変動は滅多に起こらないので、利回りを重視して2日分の余裕を持たせるって考え。
変動率6.06%は、現在のレート1.124ドルだと0.674ドル(674pips)です。
つまり、0.0674ドル(674pips)の変動に耐えられるレバレッジが妥当と考えました。
でもって、実際にレバレッジを計算。
レバレッジは約10倍となるわけです。
参考:レバレッジ毎の必要資金
その他レバレッジ毎の必要資金です。私の戦略と異なるレバレッジとする方はこちらを参考に。
証拠金維持率が100%に近付くとロスカットの危険が迫ります。下の表にある証拠金維持率を目安に管理してください。
あなたのタイプ別の推奨レバレッジ
「もっと利益がほしい」又は「もっと安全が良い」って方もいると思います。
そんなあなたにおすすめプランをご紹介。
- リスクを許容し利益重視(若者向け)
最大変動幅4.5%を考慮した設定。少しリスクをとって12倍でしょうか。レート 数量 必要資金 年間利益 利回り 証拠金維持率 1.124 1万通貨 ¥208,502 ¥8,071 3.87% 208% 10万通貨 ¥2,085,020 ¥80,712 (※)必要資金は両建て分合計
- リスクとリターンのバランス重視(子育て世代向け)
私と同じ設定はいかがでしょう?サトルはこの秋に2児の父になります。 - リスク低めで安定重視(余裕がある方向け)
3日変動率の7.39%を考慮した設定。レバレッジは9倍です。レート 数量 必要資金 年間利益 利回り 証拠金維持率 1.124 1万通貨 ¥278,003 ¥8,071 2.90% 278% 10万通貨 ¥2,780,027 ¥80,712 (※)必要資金は両建て分合計
運用で得た利益を再投資していくと、複利の効果で資産は増加します。
- 200万円を利回り3.87%で複利運用すると18年後に約400万円に。
更に3万円を毎月積み立てると14年後に約1000万円に。 - 200万円を利回り2.9%で複利運用すると24年後に約400万円に。
更に3万円を毎月積み立てると15.5年後に約1000万円に。
まとめ
いかがでしたか?
投資で一番大事なのは、絶対に損をしないこと。
スワップポイントのサヤ取りは、きちんと運用すれば損をしない投資です。
最後にオススメのFX会社を紹介。
完全無料・5分で開設可能。始める会社の選択肢は多いほどお得です。
ユーロ/米ドルは新興国通貨より利回りが劣る傾向にあります。
ただし、新興国通貨は予期せぬ大暴落が発生しがち。過去に類を見ない大暴落が起きる可能性が無いとも言えません。
その点で、取引量が多く価格が安定している「ユーロ/米ドル」は運用しやすい通貨です。
この機会に是非ご検討ください。
その他通貨のスワップのサヤ取りについてはこちら。
FXと同じようにレバレッジを効かせる商品で、配当金を貰い続ける投資方法もあります。
これもポートフォリオに加えると分散効果が出てきます。
この記事が、皆様の資産運用計画の一助となれたら幸いです。
では、また。