株式投資は選択肢が多いので、どこから手を付ければ良いかわからず結局諦める。という方、多いと思います。
政府の「老後2,000万円必要」発言により、個人資産は貯金から運用への流れが加速しています。
そんな中、過去50年間に渡って株価が上昇傾向にある米国株が注目されてきました。
馴染みがあって成長しそうな銘柄に手を出すのも無難ですが、それら人気銘柄は割高になっているのも事実。
気にすることはありません。米国株は隠れた優良高配当銘柄が多いのも特徴。
最近では、高配当株に投資して定期的なキャッシュを得ることもひとつの戦略として人気です。
確かに。配当金が貰えるなら定期的なお小遣いみたいで好きかも。
けど、高配当株も多いみたいだし、何を選べば良いんだろう?
そんな疑問に答えるべく、本記事では高配当株を幅広くカバーする3つのETF「VYM・HDV・SPYD」をご紹介します。
- 高配当ETFのメリット
- 各ETFは何が違うのか
- 各ETFで得られる配当金はどれぐらいか
目次
高配当ETFをオススメする理由
本題である高配当ETFについて説明する前に、まずは基本からお話させてください。
なぜ高配当銘柄をオススメするのか?
なぜ私が高配当銘柄をオススメするのか、理由は色々ありますが以下の4つに集約されます。
- 投資判断の必要なく利益を確定させられる
- 定常収入の確保により会社への依存度が低くなる
- 収入の数値化によりモチベーションが保てる
- 定常収入により狼狽売りの抑止力となる
配当金を得ることで自動的に利益確定がなされるため、株を売却すべきかという難儀な判断が不要となります。
会社が得た利益を会社のために使用せず、株主に還元するお金を配当金と言います。
配当金として株主に還元することに重きを置く会社はアメリカに多数あります。
一方、利益を会社成長の資金として利用し、利益額を更にアップし更なる株価上昇を目指す会社もあります。
このような会社は、高配当の会社より株価上昇が期待できます。
配当金として株主に還元するか、更に会社が成長して株価を上昇させ売却益という形で株主に還元するか、各社の経営戦略によって異なります。
また、定期的な配当金は数字としてハッキリ表れるため、投資のモチベーションになります。
これにより、労働所得ではない不老所得が得られるため、会社への金銭的・精神的依存度を低めることが可能です。
さらに、株価の下落局面においても、配当金を得られる限り、その配当金を使って安値で買い増す等、落ち着いて投資を行うことが可能となります。
こうした理由から、初心者こそ高配当銘柄への投資をオススメしています。
なぜETFをオススメするのか?
記事冒頭にある通り株式投資は選択肢が多く、初心者泣かせです。
そのため、初心者や投資資金が少ない方は、どの銘柄に投資すれば良いか判断に迷います。
結果として人気ランキング上位の銘柄に全力投資してしまうことも・・・
投資先を絞ることは、よほど自分の投資手腕に自信がある方以外にはオススメできません 。
少ない投資先において、業績悪化や業界全体の縮小が発生するとどうなるでしょう。
株価下落だけでなく、減配・無配当への転落、そして最悪のケース「倒産」により、せっかくの投資資金が吹き飛んでしまうかもしれません。
数十銘柄に投資すればリスクは低減可能ですが、始めたばかりで資金が限られている方は難しいですよね。
その分ETFは複数の銘柄を組み合わせた商品であり、一口購入するだけで多くの会社に投資することが可能です。
業種や業界も分散されているため、一社の業績悪化・倒産で投資資金が吹き飛ぶこともありません。
また、高配当銘柄に絞って組成されているETFもあるので、高配当銘柄をひとつずつ探す手間も不要になります。
こうした理由から、初心者こそ高配当ETFへの投資をオススメしています。
投資先を分散させることの重要性は、こちらもご覧ください。
その中でもこれから紹介する「SPYD」「HDV」「VYM」は、バランスの取れたETFです。
続きをご覧ください。
高配当ETF「SPYD・HDV・VYM」の概要
これから紹介する3つのETF「SPYD・HDV・VYM」は、いずれも高配当銘柄の集合体です。
それぞれに特徴があるので説明しましょう。
各ETFの概要
まずは各ETFの概要はこちら。
同じ高配当ETFでも中身を比較すると全然違いますね。上表のポイントとしては以下4つ。
POINT
- VYMは断トツで多くの銘柄(400以上)に分散
- 配当利回りはSPYDがリード
- 経費率は全て格安だが「VYM」がリード
- ここ3年のリターン(値上がり率)はVYMがリード
- 跳び抜けないがHDVは配当・トータルリターンのバランスが良い
これらの差は、各ETFを構成している銘柄に違いがあるからです。
各ETFの構成銘柄について更に見ていきます。
各ETFの構成銘柄
各ETFの構成銘柄を業種別に振り分けた結果がこちらです。
SPYD | HDV | VYM | |
不動産 | 21.55% | 0.08% | 0.00% |
一般消費財・サービス | 14.30% | 2.12% | 9.50% |
公益事業 | 12.72% | 8.12% | 8.50% |
エネルギー | 11.48% | 23.65% | 9.20% |
情報技術 | 9.51% | 3.12% | 10.60% |
金融 | 9.21% | 9.75% | 18.40% |
生活必需品 | 8.50% | 19.86% | 13.90% |
電気通信 | 4.52% | 7.17% | 0.00% |
素材 | 3.45% | 0.00% | 3.70% |
資本財・サービス | 2.46% | 7.50% | 8.30% |
ヘルスケア | 0.00% | 18.29% | 13.00% |
可視化するとこんな感じ。
上表の赤字部分が、各ETFの大部分を占める業種(セクター)です。
この違いが、配当金やトータルリターンの大小差異を生みます。
セクターの特徴も説明していきます。
「SPYD・HDV・VYM」を構成するセクターを比較
続いては各ETFの大部分を占めるセクターについて説明します。
SPYD構成比率トップ3のセクター
SPYDの構成比率トップ3の各セクターの特徴は以下の通り。
SPYDは不動産と公益事業で35%程度を占めるため、配当が自然と多くなります。
日本で扱っていないREIT(不動産投資口)を含んでいる貴重なETFなので、株以外に分散投資できるのも良いですね。
HDVの構成比率トップ3のセクター
HDVの構成比率トップ3の各セクターの特徴は以下の通り。
HDVはディフェンシブ銘柄の中で高配当銘柄を集めたETFです。
これらだけで約50%を占めるため、好況時の株価上昇も限定的です。
そのため、キャピタルゲイン(売却益)に大きな期待はできないことを認識しておきましょう。
VYMの構成比率トップ3のセクター
HDVの構成比率トップ3の各セクターの特徴は以下の通り。
VYMは400以上の銘柄から構成されるETFですが、他と比べて目立つのは金融セクターの比率です。
リーマンショック以降、各金融機関は成長し続けたため、金融セクターが多くを占めるVYMはその恩恵を受けました。
ただし、裏を返すとリセッション(景気後退)で最もダメージを受ける可能性があるのも「VYM」です。
過去のリターンの高さだけで楽観視するのは気を付けましょうね。
「SPYD・HDV・VYM」のリターンを比較
各ETFの価格について過去3年分を比較しました。
(Yahoo Financeより)
構成銘柄で比較した特徴通りになっていることがわかりますね。
ここ数年の株価は堅調だったので、その分VYMの価格が上昇。
SPYD・HDVも同じく上昇しましたが、伸び幅はVYMに敵いませんね。
今後、アメリカの利下げにより株価は更に上昇するかもしれません。
一方でリセッション(景気後退)入りも懸念されており、今まで通りの「昇り調子」というわけにはいかなそう。
SPYD・HDV・VYMの特徴まとめ
最後に今回比較した内容をザクっとまとめます。
正直なところ、3つに明確な優劣はないのですが、私のオススメ順に特徴をまとめました。
- SPYD
不動産を組み入れた高配当ETFであり、最も配当利回りが高い。定期的な配当収入を最大化して不労所得を増やしたい方向け。中程度のリスク・リターンであり、子育て世代にもピッタリ。 - HDV
ディフェンシブ銘柄を集めた高配当ETF。安定的な配当利回りとリターンを望む方向け。リスクをなるべく抑えたいシニアにもピッタリ。 - VYM
多くの銘柄に分散投資可能な高配当ETF。配当利回り・リターン共に高水準だが、金融株を多く含むためリスクは他より高め。リスクが取れる若者世代の分散投資先としてもピッタリ。
最低手数料が無料になったので、少額でも毎月一定量を買い付ける予定です。
SPYD・HDV・VYMが購入できる証券会社
これら3つのETFは、主要証券会社すべて購入可能です。
登録無料、各社5分で簡単に開設できます!
各証券会社の比較はこちらも参考にどうぞ。
ちなみに私は証券会社を使い分けて運用中。
管理の手間はあるけど、各社のメリットが総取りできるので気に入っています。
- マネックス証券:個別株
- SBI証券:米国債と個別株
- 楽天証券:つみたてNISA(今後は個別株も検討)
- サクソバンク証券:CFDと個別株
まとめ
今回は高配当ETFを3つ紹介しました。
個別株への投資はとても奥が深く、銘柄選びも楽しいのですが、忙しい方にとっては面倒ですよね。
また、投資元本が少ない方は、少数銘柄しか買付けられずリスクの高い運用になってしまうのも事実。
そんな方はETFでドカッと分散投資するのも手です。
分散投資と長期投資の優位性は、過去の歴史が物語っていますからね。
今後も米国株・FX・債券・株式CFD等、サトルが実践する資産運用をどしどし紹介していきます。
この機会に、米国株を始めてはいかがでしょうか。
他にも堅実投資として、リターンは少ないですが米国債も鉄板です。
サトルも実践している、FXの面白い運用もおススメです。
この記事が、あなたの投資判断の一助となることを願います。
では、また。